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長坂誠展 Makoto Nagasaka Exhibition

2013.03.21(木)〜04.05(金)

 

儚さをうつしみる.jpg

長坂 誠 展

Makoto Nagasaka Exhibition

 

2013年3月21日(木)~4月5日(金)

地下会場  /  日曜・祝祭日休廊

11:00~18:00 (最終日17:00まで)

 

 

掲載作品画像 : 「儚さをうつしみる」 30号F

 

長坂誠は広島市立大学芸術学部にて油絵を専攻し、同大学院の博士課程まで進んでおります。
大学の関連で広島被爆者やその二世三世にあたる人びとの肖像画を描く「光の肖像」展にも参加しています。
第15回の「新生展」にて新生賞を受賞し、このたびの東京では初めての個展開催となりましました。

長坂の作品からは、人間の肉体や容貌の"美"だけではない、根本的な人間そのものの美しさを感じさせます。
それは綺麗や美しいといったプラスの見方だけではなく、醜さや、悲愴など負の言葉もふくめた人間という生き物の美しさです。
中世の古典技法であるテンペラと、油彩画を混合させ、背景は箔だけの場合が多く、人物がよりひきたって見えてくる分、その人の表情からみえる感情がより強く見えてくるように感じられます。ひと筆ひと筆、絵を通して対話し心の奥の気持ちや、その人の生きてきた時間など、絵には見えない内面部分も丁寧に導きだすように描いています。
今回、100号から0号まで20点余りを展示いたします。

 
【作家 ステートメント】

私は女性を描き続けています。しかし安易に肖像のようには女性を描写はしていません。
私にとって人物を描くということは、その人物から感じ取ったものを表現することでもあり、
同時に人物を鏡に置きかえ自身のアイデンティティを見つめることでもあります。
現在、メディアが発展していきCGや写真、映像が大きく社会に広まっています。その中で
絵画を描くことは古臭い行為であるかもしれません。しかし、絵画はそれらには無い魅力
があると私は確信しています。油絵具が生み出す輝き、テンペラ絵具の乾いた色の明るさなど、
その素材からしか生み出せない色彩があります。実際、絵画を複製した写真と直に見た絵画
とを比べると、それを理解するのではないでしょうか。
 
私にとってそれらの素材(油絵具、テンペラ絵具)を活かすための礎は技法です。またその
技法は表現と表裏一体のものであると考えます。『表現したいもののために技法を学ぶ』
ということを言葉にすると簡単ですが、意識して求めなければ理想の表現を得ることが出来
ません。私が絵画を制作することは、技法を試行錯誤しながら求める表現を探る行為です。
女性を描き続けていることは、今私が描きたいと思う対象が女性であることは確かです。
その対象が持つ雰囲気や魅力的な造形を、制作の中から再認識しているのかもしれません。
けれども、その対象自身の本質を描きたいかと言うとそうではありません。対象は、私にと
って絵画を「作る」過程のきっかけになっています。
 
『芸術の本質は、見えるものをそのまま再現するのではなく、見えるようにすることにある。』
パウル・クレー [造形思考〔上〕]
 
クレーが書いた「創造についての信条告白」の冒頭にある一文です。「見る」ことでただ
忠実に写し取ることではなく、「見る」ことによって知覚したことを目に「見える」ように
表現するべきことが、芸術の本質ではないかと断言しているのではないでしょうか。クレー
は理想の絵画を作るために色々な技法を実験的に取り入れていた画家でした。
クレーの言葉は私の絵画にも言えるのではないかと考えます。それは、具象や抽象といっ
た言葉のジャンルの中での考えではなく、絵画を描き「作る」という姿勢の点でのことです。
私は自身が知覚して経験してきたことを魅力ある絵画へと展開していきたいと考えています。
それは「作る」ことに意識して描き続ける私自身のアイデンティティを見つめる行為でもあります。

長坂誠

 

展覧会風景

展示作品

 

略歴
1981年 香川県出身
2000年 香川県立香川中央高等学校卒業
2002年 広島市立大学芸術学部美術科油絵専攻 入学
___________グループ展 三人展(ギャラリー・スペースSAKAIDE/香川)
2005年 第9回さかいでArtグランプリ展 佳作受賞
2007年 広島市立大学芸術学部美術科油絵専攻 卒業
___________広島市立大学卒業・修了制作展(広島市現代美術館/広島)
___________広島市立大学大学院博士前期課程芸術学研究科絵画専攻(油絵)入学
2008年 第三回「光の肖像」展(広島市立大学芸術資料館/広島)
2009年 広島市立大学大学院博士前期課程芸術学研究科絵画専攻(油絵)修了
___________広島市立大学卒業・修了制作展(広島市現代美術館/広島)
___________広島市立大学大学院博士後期課程芸術学研究科総合造形芸術専攻 入学
___________NHKふるさと発「完成なき肖像画?被爆者と学生・心の対話?」テレビ出演
2010年 グループ展 「Insel」(ギャラリーアートもりもと/東京)
___________『光の肖像』in London(ロンドン大学ブルネイギャラリー/ロンドン)
___________第14回新生展 入選(新生堂/東京)
2011年 広島市立大学洋画選抜展(安芸高田市立八千代の丘美術館/広島)
___________グループ展 「Insel」kapitel.2 (ギャラリーアートもりもと/東京)
___________第15回新生展 新生賞受賞(新生堂/東京)
___________野呂山芸術村グループ展(野呂山レストハウス/広島)
___________光の肖像展 (三良坂平和美術館/広島)
2012年 Next Art展(朝日新聞東京本社・松屋銀座/東京)
___________ループ展 「Insel」kapitel.3 (ギャラリーアートもりもと/東京)
___________企画展 「光の肖像」展 IN TOKYO (永井画廊/東京)
現在   広島市立大学油絵共同研究室実習補助員

 

※照明の関係で写りこみや、色味が若干違うものもございます。ご了承くださいませ。

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