新生堂 ギャラリー 南青山東京

  • 2009年6月の展覧会: 山口英紀 展
  • プロフィール
  • 作品集

2009年6月の展覧会: 山口英紀展


「空虚で均質な時間」 紙本彩色 41.0×27.3cm

Highslide JS Highslide JS Highslide JS Highslide JS Highslide JS
2009年6月10日(水)〜21日(日)
11:00〜18:00(最終日は 17:00まで) / 会期中無休
(中地下ギャラリーにて)

出品予定作品/コメント

 このたび、新生堂におきまして、水墨画家、山口英紀の個展を開催いたします。山口は1976年千葉県木更津市生まれ、筑波大学大学院を修了後、中国へ留学。現在は高校の国語教師の傍ら制作活動を続け、書・画・篆刻の三位一体の作風から、現在は絹本と紙本とを巧みに使い分けながら、工筆による高精度の再現性を誇る水墨表現を繰り広げます。
 山口が描く水墨画は、一般的に連想されるそれとは決定的に異質な表現がなされます。現象としての滲みがもたらす墨の表現特有の味わいを極限まで抑え、徹底して対象をリアルに描き切った作品は、一見それが水墨画には見えず、写真と見紛うほどに緻密な描き込みがなされています。都市の俯瞰風景やコンビナートなど、硬質な景色を主題として取り上げることで、山口が持つ精巧な描写力が際立つ一方、時おり墨の表現らしいぼかしや滲みが加えられ、水墨画としてのリアリティも深遠に残されます。
 新生堂では2008年1月に続いて2回目、同年秋に開催され、数多くのアートファンの注目を集めた青山スパイラルでの「ULTRA001」以降では初めてとなる同展では、都市を描き、彩色が施され、薄い和紙を何層も重ねることで写真技法の「逆アオリ」と似たぼかしの効果がもたらされた「空虚で均質な時間.」をはじめ、赤ちゃんの頃の自分を抱く祖母の写真をもとに昭和の空気感を表現した「願わくば」、のんきに伏せながら愛嬌のある目をこちらに向ける犬を描いた「白光」など、新作を中心に一部旧作を交えた9点前後の作品を展示いたします。イメージを大きく覆し、水墨表現の可能性を更新し続ける山口の独創的な世界をご覧頂けますよう、心よりお願い申し上げます。

山口英紀 プロフィール

1976年 千葉県木更津市生まれ
1999年  筑波大学芸術専門学群卒業
2001年  筑波大学大学院修士課程芸術研究科修了
2002〜2004年  中国美術学院留学(文部科学省推薦中国政府招聘留学生)
2004年 亜細亜太平洋水墨画展(招待出品) 千葉県立美術館(〜2007まで)
2005年 日書美展 篆刻部 東京都美術館(以後毎年出品)
上総書道篆刻協会展 木更津市民会館(〜2007まで)
第9回新生展 新生賞
2006年 個展 ギャラリーコンセプト21
2008年 個展 新生堂
アジア創造美術展(招待出品) 国立新美術館
○展(メリーロード高輪)
エマージング・ディレクターズ・アートフェア「ウルトラ001」(スパイラルガーデン)

山口英紀 作品集

山口英紀「sin2θ+cos2θ=1」絹本水墨 31.8×41.0cm
山口英紀「往来」絹本水墨 24.3×41.0cm
山口英紀「街物語」紙本水墨 27.3×45.5cm
山口英紀「願わくば...」絹本水墨 53.0×33.3cm
山口英紀「空虚で均質な時間」紙本彩色 41.0×27.3cm
山口英紀「沈黙の音」絹本水墨 53.0×65.2cm
山口英紀「夢の縺れ」紙本水墨 33.3×53.0cm
山口英紀「約束」紙本彩色 33.3×53.0cm
Highslide JS
山口英紀「白光」紙本水墨 27.3×45.5cm